パパが抱っこしただけでギャン泣きする…
ママばかり求めるのはなぜ?
少し前までママと同じように抱っこできていたのに一体なにがあったのかと困惑しているのではないでしょうか。
積極的に育児参加したくても泣かれてばかりではつらいですよね。
実はこういったパパへの拒否反応はよく起こることで、適切に対処することで解消することが可能です。
この記事では、なぜパパを拒否するのかについて、そしておすすめの対処法についてお伝えします。
拒否する理由は〇〇が始まったから
パパを拒否する理由は赤ちゃんの人見知りが始まったからです。(参考:乳幼児期における心の健康のために)
パパに対しての人見知りは「パパ見知り」と言われたりもします。
この人見知りは多くの赤ちゃんが通る道で、順調に成長している証でもあります。
そのため、パパのことが嫌いになったから拒否しているわけではありませんのであまり落ち込まないようにしましょう。
赤ちゃんの成長と人見知り
そもそもなぜ人見知りが始まったのでしょうか。
赤ちゃんは生まれて間もない頃であれば周りの人間に対して一様に興味を持ちますが、生後4ヵ月頃からは特定の人に対して期待や愛着を持つようになります。(参考:愛着の形成は自立の形成)
特定の人はママである場合が多く、
「ママに抱っこしてほしい」
「泣いたらママに助けてほしい」
といった具合にママばかりを求めるようになっていきます。(参考:同上)
この時赤ちゃんは、ママからやさしくされる体験を積み重ねることで人間の信頼関係の基礎を学んでいるのだそうです。(参考:同上)
また赤ちゃんの記憶力も少しずつ発達していき、普段お世話をしてくれる人とそうでない人の区別がつくようになっていきます。
ママかママ以外か
これらのことから赤ちゃんはママとの信頼関係をどんどんと深めていく一方、ママ以外の人に対しては全く別の反応を示すようになります。
ママだけが特別でママ以外は誰であっても拒否、つまり人見知りが始まっていきます。
こうした現象は、生後6ヵ月くらいから始まることが多いようです。(参考:ヒトはなぜ「人見知り」をするのか?)
もちろん赤ちゃんによって時期が前後したり、人見知り自体がない子もいます。
パパ見知り解消法
赤ちゃんから嫌われたわけではないとはいえ、我が子から拒否されるとショックですよね。
加えて、パパ見知りをこのまま放置しているとママの育児負担が一段と増えてしまいます。
ママのため、そしてパパと赤ちゃんの関係のためにもなんとかパパ見知りを解消したいところです。
おすすめの解消法
おすすめの解消法は、赤ちゃんとの接触機会を増やすことです。
先にも挙げた通り赤ちゃんはパパが嫌いになったわけではありませんから、接触機会を増やすことでだんだんとこころを開いてくれるようになります。
ただ、だからといっていきなり赤ちゃんと二人きりになるなど急激に環境を変えることは避けるべきです。
赤ちゃんの不安感が増すだけなので、今よりもさらにパパのことを拒否するようになってしまうかもしれません。
赤ちゃんは今、ママのことを安全基地にしています。まずはママに協力してもらいながら赤ちゃんとのコミュニケーションを図っていきましょう。
パパがいるだけで泣いてしまう場合は、ママが抱っこしている状態から始めるといいかと思います。
ここからは接触機会を増やす際に気を付けたいことを5つお伝えします。
①ママと仲がいいところを赤ちゃんに見せる
ママと笑顔で会話しているところを赤ちゃんにたくさん見せましょう。
この時期の赤ちゃんはママに絶対的な信頼を置いています。
何事もママが基準になっているため、ママと仲がいい人に対しては赤ちゃんも警戒を解きやすくなります。
普段からパパとママが楽しそうに会話をすることで、赤ちゃんはパパのことを信頼しやすくなるはずです。
②受容的な態度で接する
赤ちゃんの人見知りは「近づきたいけど怖い」というこころの葛藤からくるものだという研究結果があります。(参考:岡ノ谷情動情報プロジェクト)
パパ見知りの最中の赤ちゃんは「パパに近づきたいけどなんか怖いから無理」と思っているのかもしれません。
この恐怖心を解消するためには、受容的な態度でいることが大切です。
受容的な態度とはありのままの相手を受け入れ、認めることをいいます。
赤ちゃんが泣いても笑っても拒否してきたとしてもありのままを受け入れ、笑顔で優しく対応しましょう。
赤ちゃんをコントロールすることはできない
この時期のパパは
「パパ見知りを早く解消しなくては」
「泣き止ませるにはどうすればいいんだ」
など成果を求めがちです。
ですが親がどれだけ頑張ったとしても、パパ見知りするかどうかは赤ちゃんが決めることです。親がコントロールできるものではありません。
私たち大人であっても、自分の気持ちまでコントロールしようとしてくる人とは関わりたくありませんよね。これは赤ちゃんも同じです。
成果を求めるのではなく、受容的な態度でありのままの赤ちゃんを認め、赤ちゃんの方から近づいてきてくれるのを待ちましょう。
③たくさん語りかける
たくさん語りかけることも大切です。
まだ言葉が理解できない赤ちゃんに語りかけても意味がないのでは、と思うかもしれませんがそれは違います。
マザリーズという言葉をご存じでしょうか?
マザリーズとは話し方の一種で、赤ちゃんに対して普段より高い声で、ゆっくりと抑揚を付けながら話すことを言います。(参考:0歳児におけるマザリーズの効果に関する一考察)
我が子に向かって「〇〇ちゃん、かわいいね~」と語りかけるとき、自然と声が高くなりますよね。それのことです。
マザリーズには赤ちゃんの注意をひきつけ、話し手の気分や意図を伝える効果があるとされています。(参考:0歳児におけるマザリーズの効果に関する一考察)
パパ見知りの最中であってもやさしく語りかけることでパパの持つ愛情は伝わっていきます。ですからどんどん語りかけていきましょう。
何を話していいのかわからないときは、赤ちゃんの気持ちを代弁するのがおすすめです。
「眠いんだね、うんうん」
「ママの方がいいんだね、わかったよ」
など今赤ちゃんが感じていそうなことをやさしく語りかけてください。
④泣き始めてもすぐにあきらめない
赤ちゃんが泣き始めたらすぐにママに引き渡すのではなく、まずは自分でどうにかしてみましょう。
私たち大人であっても、自分の話を聞いてくれない人ではなく、親身になって耳を傾けてくれる人と関わりたいと思うはずです。
赤ちゃんも同じで、自分の要求にどうにか応えようとする人に対して信頼を寄せるようになります。
泣き始めたらすぐにママに引き渡していては「やっぱりママじゃなきゃダメなんだ」と思われかねません。
できる限りパパが対応して、どうしても「ママがいい」と泣かれるのであればママと二人でお世話をしてみましょう。
⑤食事をあげる
パパ見知りを解消するために一番効果的な接触方法は食事をあげることです。
可能であれば1日1回ミルクや離乳食をあげる機会を設けましょう。
食事中は食欲が優先されて警戒心や恐怖心がうすれやすくなっています。
食事をあげながらやさしく撫でたり声をかけたりして自然なスキンシップを図っていきましょう。
ただ、パパが食事をあげたいからといって今までのルーティンを無視して無理やり機会を設けることは避けるべきです。
まずはママと赤ちゃんのリズムを優先して、もしタイミングが合うのであればチャレンジしてみましょう。
まとめ
ここまでパパ見知りの原因とその解消法について書いてきました。
パパ見知りは赤ちゃんとの接触機会が少ないパパに起きやすいようです。
どうにか機会を作りたいところですが、仕事があるパパにとっては悩ましい課題ですよね。
ただもしパパ見知りを解消することができれば、赤ちゃんとの間に新しい信頼関係を築くことができるはずです。
我が子と信頼し合えることはとても価値のあることで、仕事で得られるものとは別次元の充実感や満足感を得ることができます。
パパ自身の人生の質を向上させるためにも、パパ見知りを解消してみてはいかがでしょうか。